人間国宝と文化勲章の両方を獲得した現代色絵陶磁器の名工、富本憲吉の作品です。

幼少より様々な芸術分野を学んだ富本憲吉は、六世尾形乾山に入門した友人バーナード・リーチに影響を受けて陶芸の道へ進み、楽焼制作から始まり土焼・白磁・染付と幅広い創作活動を展開しました。

本作品は四季を愛した作家の心の文字が大胆かつ流麗に描かれた灰皿です。

染付の文字「雪月風花」は氏が好んで用いた言葉の一つで、美しい自然の風景やそこから生じる情緒、情趣のしみじみとした味わいを意味します。含蓄深い四文字の言葉が生命力あふれる筆遣いで書かれていますね。

鮮やかな赤絵と上品な白磁の素地が心地よい逸品です。

富本憲吉は制作年代によって異なる銘を用いた最初の作家と言われています。高台内の銘により、本作品は昭和24年に制作されたものと思われます。

均整の取れた造形と伸びやかな筆致の色絵付けが美しい。実用性もさることながら、観賞性にも優れた逸品です。

作品裏面に銘有り。

銘の筆跡より昭和24年作と判断できる。

サイズ
奥6.4cm 幅8.5cm 高さ5.8cm

態： 無傷完品

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